Midday
Moon
ずっと、夢を見ていると思っていた。
全てが自分とは無関係に始まっては、
終わっていくように感じられた。
しかし、わたしが見ていたのは夢ではなく、
鏡だったのだと、今では思う。
何かを美しいと思う時、そこにあるのは単なる物質と、
それを美しいと思う私の感性だ。
そのふたつが揃い、向かい合わせになった時初めて、
世界は意味を持ち始める。
探しているものは案外、すぐ近くにあって、
私たちが思い出せずにいるだけかもしれない。
人は身近なものから、忘れていってしまうのだから。